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眼内レンズ挿入術と従来の白内障手術の比較
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眼内レンズ挿入術と従来の白内障手術の比較
白内障手術は、目の中の水晶体が濁ることで視力が低下した方にとって、長年にわたり信頼されてきた治療法です。従来の白内障手術によって多くの方が視力を取り戻してきましたが、近年ではより個別化された治療が可能になっています。レンズ挿入手術(眼内レンズ手術)は、そのような進歩のひとつで、従来の方法よりも幅広いメリットを提供します。多焦点レンズ、トーリックレンズ、調節機能付きレンズなどの選択肢があり、白内障を取り除くだけでなく、近視や遠視、乱視など他の視力の問題も同時に改善できるため、メガネが不要になる、あるいは使用頻度が大幅に減る場合もあります。この記事では、レンズ挿入手術と従来の白内障手術の違いについてわかりやすくご紹介し、ご自身の目に合った治療法を選ぶための参考にしていただければと思います。
レンズ挿入手術と従来の白内障手術の違いについて説明する前に、まず白内障とは何か、そしてなぜ手術が必要なのかを理解しましょう。白内障は、目の中にある本来の水晶体が濁ることで、視界がぼやけたり、まぶしさを感じたり、夜間の見えづらさが生じる病気です。加齢が主な原因ですが、ケガや遺伝、特定の病気などが原因となることもあります。
従来の白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズ(IOL)に置き換えます。この方法は長年にわたり標準的な治療法とされており、高い成功率を誇ります。
レンズ挿入手術(プレミアム白内障手術とも呼ばれます)は、従来の白内障手術の基本をもとに、より進化したレンズ技術を取り入れた治療法です。濁った自然の水晶体を取り除いた後、視力を回復させるために高性能な眼内レンズ(IOL)が挿入されます。最大の特徴は、挿入できるレンズの種類が豊富なことです。レンズ挿入手術では、遠近両用レンズ(多焦点レンズ)、乱視矯正用レンズ(トーリックレンズ)、調節機能付きレンズ(アコモデーティブレンズ)など、患者様のさまざまな視力ニーズに合わせた眼内レンズを選択できます。
従来の白内障手術は長年にわたり改良されてきており、主に次のような流れで行われます。
水晶体の除去:医師が目に小さな切開を加え、濁った水晶体(白内障)を取り除きます。通常は超音波を使って水晶体を細かく砕き、取り出しやすくする方法(超音波乳化吸引術)が用いられます。
眼内レンズ(IOL)の挿入:白内障を取り除いた後、標準的な眼内レンズ(IOL)が目の中に挿入されます。多くの場合、単焦点レンズが使われ、これは近く・中間・遠くのいずれか一つの距離にピントが合うレンズです。
回復:手術後は多くの方が数日以内に視力の改善を実感できます。ただし、老眼鏡など追加の矯正が必要な場合もあり、すべての視力ニーズが完全に満たされるわけではありません。
この手術は多くの患者さんにとって非常に効果的ですが、すべての距離の視力を矯正できるわけではないという制限があります。そのため、手術後も特に読書や近くを見る作業の際には眼鏡が必要になる方が多いです。
眼内レンズ手術は、従来の白内障手術をさらに進化させ、患者様一人ひとりの視力ニーズに合わせたオーダーメイドの治療を提供します。ここでは、この手術で使用される先進的なレンズの種類について詳しくご紹介します:
多焦点眼内レンズ(Multifocal IOLs):このレンズは、近く・中間・遠くといった複数の距離でクリアな視界を実現し、手術後に眼鏡が不要になることもあります。幅広い距離で快適な視力を求める方におすすめです。
トーリック眼内レンズ(Toric IOLs):乱視のある方に適したレンズで、角膜の形の歪みを補正し、ぼやけた視界を改善します。遠くも近くも見やすくなり、乱視の方は眼鏡やコンタクトレンズが不要になる場合もあります。
調節性眼内レンズ(Accommodative IOLs):単焦点レンズとは異なり、目の中で動くことで様々な距離にピントを合わせることができ、自然な目の調節機能に近い働きをします。読書用の眼鏡への依存を減らしたい方に適しています。
焦点深度拡張型レンズ(EDOFレンズ):このレンズは、近くから遠くまで連続した視界を提供し、多焦点レンズよりも歪みが少ないのが特徴です。遠くも近くも眼鏡なしで快適に過ごしたい方におすすめです。
従来の白内障手術:一般的には単焦点眼内レンズ(IOL)を使用し、遠くか近くのどちらか一方の距離しか矯正できません。そのため、多くの方は手術後も読書やその他の活動のために眼鏡が必要になります。
レンズ挿入手術:患者様のライフスタイルやご希望に合わせてカスタマイズされた視力矯正が可能です。多焦点やトーリックIOLなどの選択肢により、眼鏡への依存を減らしたり、さまざまな距離でクリアな視界を得ることができます。
従来の白内障手術:最新の超音波乳化吸引法(フェムトセカンドレーザーなど)により、効率的かつ安全に手術が行われていますが、主に濁った水晶体を取り除き、標準的なIOLを挿入することに重点が置かれています。
レンズ挿入手術:標準的な白内障除去に加え、より進化したIOLを使用することで、焦点深度の向上や乱視矯正、多様な視力矯正が可能です。
従来の白内障手術:多くの患者様は読書や近くを見る際に眼鏡が必要です。
レンズ挿入手術:高度なIOLの選択肢により、眼鏡の必要性が減る方が多いですが、効果には個人差があります。
従来の白内障手術:保険や公的医療制度でカバーされることが多く、標準的な白内障治療として認められています。
レンズ挿入手術:多焦点やトーリックなどのプレミアムIOLは追加費用がかかる場合があり、保険適用外となることもあります。しかし、多くの患者様にとって、そのメリットは十分に価値があると感じられています。
従来の白内障手術:多くの患者様が視力の改善を実感できますが、主に遠くの視力のみの改善となり、追加でレーザー視力矯正などの処置が必要になる場合もあります。
レンズ挿入手術:遠くも近くもより総合的な長期的効果が期待でき、先進的なIOL技術により追加の手術が必要となるケースが少なくなります。
レンズ挿入手術と従来の白内障手術のどちらを選ぶかは、以下のようなさまざまな要素によって決まります。
見え方のニーズ:近くも遠くも見えづらい方には、レンズ挿入手術がおすすめです。多焦点レンズを使うことで、さまざまな距離でクリアな視界が得られます。
乱視:乱視がある場合は、トーリック眼内レンズ(IOL)を使うことで、標準的な眼内レンズよりも視力の改善が期待できます。
費用面:費用を重視し、白内障の治療だけを希望される場合は、標準的な眼内レンズを使った従来の白内障手術が、より経済的な選択肢となります。
全身の健康状態:最適な方法は、目の健康状態や年齢、手術後の視力への期待などによって異なります。
Global Ubal 眼科センター では、白内障でお悩みの患者様一人ひとりに合わせた、最先端の医療をご提供しています。従来の白内障手術はもちろん、レンズ挿入手術を選択される場合も、ペ・ヒチョル医師をはじめとする専門チームが、最初から最後まで丁寧にサポートし、最良の結果を目指します。
白内障でお困りの方、ご自身に合った治療法を知りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。患者様のご希望やライフスタイルに合わせて、従来の白内障手術とレンズ挿入手術のどちらが適しているか、一緒に考えてご提案いたします。
白内障の治療には、従来の白内障手術とレンズ挿入手術の2つの効果的な方法があります。それぞれにメリットがあり、従来の手術は信頼性が高い一方で、レンズ挿入手術はより柔軟で、視力を個別に矯正できるため、メガネへの依存を減らせる可能性があります。どちらが最適かは、患者さま一人ひとりの視力の状態やライフスタイル、ご予算によって異なります。Global Ubal 眼科センターでは、皆さまのご希望や状況に合わせて最適な選択ができるよう、丁寧にサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。